第8回しまだ大井川マラソン出走記。 その2
2016.10.30
~しまだ大井川マラソンin リバティ~
このレースの高低差はこんな感じ。ほぼフラットなコース。
このレースで自己ベスト更新。目標は3:45:00
㌔5:20ペース。
3度目のフルマラソンとあって、走り始めは意外と冷静にスタートする。
懸念していた右足の痛みもほとんど無かったが、念の為、ロキソニンを服用する。
痛みを抑えて走るのは、故障の原因になりかねないが、それでも今日は走りたかった。
順調にコースを走り、旧東海道宿場町の名残を残す、しまだ宿を走り抜ける。
これを抜けると大井川。
そこには、日本で唯一のマラソン専門コース《リバティ》があり、ランナー達で埋め尽くされる。
しばらく南下していると、そこに見えたのは世界一の木造橋《蓬莱橋》がランナーを迎える。
私がしまだ大井川マラソンを選んだのも、この蓬莱橋を眺めたくてエントリーを決めた。
真下から見る蓬莱橋は、大工の私にとってとても興味津々。だが、今はレース中。
じっくり見たい気持ちを抑えつつ大井川を南下する。
蓬莱橋をまじかで見れたのが、嬉しかったのかペースも上がり気味になる。
気づけば㌔5:05秒と、かなりのオーバーペースに。
折り返し地点まで、緩やかな下りなので、意識してないと自然とペースも上がってしまう。
南下を続けて、ようやく折り返し地点。(20キロ)
この時のタイムは、1:45:02秒 ㌔5:00と、サブ3.5に迫る勢いだ。
体の調子も良く、このままのペースでも走れそうだ…と、この時思ったのが間違いだった。
後半の20㌔からは緩やかな上り。
本当に少しの勾配だが、少し体が重たいような感覚で走ってる感じがする。
それでもペースをキープしながら迎えた28㌔地点。
左足の太股が痙攣し始める。前回のフルマラソンと同じ症状だ。
原因はやっぱりオーバーペース。
痛みをこらえながら徐々にペースダウンをし、回復を試みる。
31㌔を過ぎた辺りから、全身を何かに吸いとられているような感覚が襲い、体がズシンと重くなる。
30㌔の壁だ。
頭では分かっていても、体がついてこない。
足を前に前にと命令しているのに、体はそれに逆らうように無反応。
痛みだけは感じるのに、足は思うように動かない。
そして自然と足が止まってしまった。
気持ちだけは前に前にと思っていただけに、悔しい思いで胸が痛くなる。
それでも一分の望みをかけ、目標達成を目指して歩き始める。
そしてここから、走っては少し歩いての繰り返し。
だけど、止まることはなかった。
止まったら、もう走れないような気がしたから。
残りも後僅か。
この時からあまり記憶に残っていない。後何㌔かも分からないまま、前に進んでいたと思う。
ゴールした瞬間は覚えている。
辛かった、としか記憶に無い。
その場でうずくまり、右足の太股がつるのを必死に堪えていた。
悔しくて悔しくて、その場から離れられなかった。
分かっていた。目標達成出来なかったことも…。
こうして、私の《しまだ大井川マラソン》は幕を閉じた。
人生41年生きてきて、もういい大人になって、いろんな事経験してきて、感情的になる事が薄れてしまってた。
でも、涙が出そうなほど悔しくて、悔しくて…。
こんな感情がまだ、私の心に残ってたんだと思ったら、少し自分が好きになった。
そしてもっとマラソンが好きになった。
反省する事は沢山ある。課題は山ほどある。しかし、まだまだ私は走っていける。
マラソンは楽しいって思えるから‼。